フエの庭園屋敷

フエの庭園屋敷 「庭があるのはごく当たり前のこと」とフエの人は言う。 庭を造り、庭を手入れし、庭を眺める。それはフエの人々にとって自然なことで、庭は生活の一部なのだ。 元来、洪水が多い土地柄から、食糧を確保するために野菜や果物などを植えたことがフエの庭園の始まりと言われている。そのため、現在でもマンゴー、パイナップル、バナナ、ライチなど南国特有のさまざまな果物が庭園のあちらこちらに見られるのだ。  また、庭園には必ずと言っていいほど池がある。フエの庭園の形態は、元々中国から伝わり発展してきたもので、中国風水の影響を色濃く受けている。あらゆるものを浄化するとされる水は、風水で最も重要なものとされている。ベトナムを象徴する蓮やスイレンの花が咲き誇る池を眺めていると、心が安まり澄んだ気持ちになるのは、きっと人の心まで浄化してくれるからなのだろう。 住まいや仕事場が南向きに作られている庭園が多いのも中国風水の影響だ。そして住居の向かい、池を挟んだところに衝立が立てられているのもフエの庭園の特徴。外から入ってくる邪気や悪い流れを遮り、住まいや住人を守るものだと考えられている。  また庭園には花や木々が多く植えられている。フエ以外にもベトナム全土の花々を集めて庭園を飾ることも美しい庭の条件であり、それがフエの人々の嗜みなのだそう。庭こそが、そこに住む人の精神そのものを表しているのだ。  フエの庭園を細かく見ていくと、自然を愛し、自然と共に生活することを好むフエの人々の心意気や暮らしぶりが垣間見られるだろう。まずは庭園を眺め、フエ独自の庭園を感じてみよう。

 
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